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採択率51.2%!事業再構築補助金 第7回採択結果
事業再構築補助金の第7回公募の採択結果が12月15日に発表されました。応募状況と採択結果について、「事業再構築補助金事務局」から公表された資料をもとに分析します。
👉事業再構築補助金事務局の「事業再構築補助金第7回公募の結果について」はこちらをご覧ください。
第7回公募の採択率は全類型で51.2%、通常枠は47.4%
第7回公募の応募、採択状況は上表のとおりです。全類型の応募件数15,132件、採択件数7,745件で採択率は51.2%でした。
通常枠は、応募件数9,292件、採択件数4,402件で採択率は47.4%でした。第6回公募と比較すると約2ポイント採択率が上昇しました。
最も採択率が高かった類型は最低賃金枠の80.9%ですが、第6回公募と比較すると採択率は約5ポイント低下しました。
大規模賃金引上枠は45.5%となり、第6回公募と比較すると、約10ポイントも低下しました。
その他、第7回公募から新設された緊急対策枠は55.4%でした。
第6回公募と比較すると、通常枠以外の採択率は低下傾向ですが、新設された緊急対策枠の採択率によって、全類型で1.2ポイント上昇しました。
全類型で第1回から第7回公募までの推移を見ると、第7回の応募件数は最も少ない一方、第6回と比べて採択件数は約80件増加し、採択率は最も高くなっています。第1回から見ても、採択率は増加傾向にあります。
通常枠で第1回から第7回公募までの推移を見ると、全類型同様に第7回の応募件数は最も少なく、第6回と比べて採択件数も約900件減少しています。ただし第6回と比べて採択率は47.4%と最も高くなっています。回を重ねるごとに事業計画の精度が高くなっていることから、採択率が高くなっているものと推察されます。
採択率が50%以上の業種が減少
業種別を見ると、応募件数ではこれまでと同様「製造業」「卸売業、小売業」「宿泊業・飲食サービス業」が高く、全体の5割を占めています。採択件数の構成比でもこの3業種の割合が高く、5割以上を占めています。
採択率では、「製造業」が最も高く67.7%となりました。次いで「運輸業、郵便業」が54.5%、「建設業」が51.2%となりました。第6回では「教育、学習支援業」「宿泊業・飲食サービス業」が採択率50%以上でしたが、今回は48~49%で推移しており、50%以上の採択率の業種は減少した結果となりました。
しかし、全体的には採択率は増加傾向となっており、事業計画が高精度になってきたことがうかがえます。
全国的に採択率上昇傾向
都道府県別の状況を見ると、採択率が最も高かったのは栃木県の62.4%、次に徳島県の59.3%となっています。第6回では富山県・高知県・和歌山県が採択率60%以上でしたが、第7回では栃木県のみ60%以上でした。
なお、東京都と大阪府は他の地域と比較しても採択件数は多いですが、採択率はどちらも50%未満と低い結果でした。
第7回公募では、全体平均採択率51.2%以上の地域は22県でした。第6回公募は全体平均採択率50.0%以上の地域は30府県ありました。第7回と第6回を比較すると、限られた都道府県に採択が集中せず、全国的に採択率が上昇したと考えられます。
応募金額2,000万円以下がボリュームゾーン
出典:「事業再構築補助金第7回公募の結果について」事業再構築補助金事務局資料5項より抜粋
出典:「事業再構築補助金第7回公募の結果について」事業再構築補助金事務局資料6項より抜粋
応募金額別件数を見ると、第6回同様に「100万円から2,000万円以下」の範囲に応募件数が集中しており、特に「1,500万円超から2,000万円以下」の応募件数が5,122件で39.09%と最も多くなっています。「通常枠」「回復・再生応援枠」「緊急対策枠」の応募件数が多く、これらの枠の応募金額が「100万円から2,000万円」の範囲にかたまっていることが要因と推察されます。
上に掲載した応募金額と採択金額の円グラフ・応募金額別棒グラフから採択率を推計したグラフが上の折れ線グラフです。第7回では採択率が一番高い応募金額は「3,000万円超から4,500万円以下」の64.5%となっています。
前回の第6回と比較すると、応募金額「6,000万円以下」までの範囲ではあまり大きな差異は見られませんでしたが、応募金額「6,000万円超」からは第7回の採択率は減少傾向となりました。特に第6回と比べると、「大規模賃金引上枠」の採択率が約10ポイント低下していること、中堅企業等として採択されたグリーン成長枠が少なかったこと、等が要因と推察されます。
全体的に応募金額「3,000万円超から8,000万円以下」の採択率が60%以上と高くなっています。
採択率が高い認定支援機関は?
出典:「事業再構築補助金第7回公募の結果について」事業再構築補助金事務局資料7項より抜粋
認定支援機関別に応募状況・採択状況を見ると、「民間コンサルティング会社」「地銀」「信用金庫」の応募件数が高くなっています。応募件数が多いことに比例して採択件数も多くなっているのが要因と推察されます。
また採択率では、「銀行61.9%」「地銀59.7%」「信用金庫58.8%」となっており、特に金融機関の採択率が高い結果となりました。
第1回から第7回公募までの応募・採択件数の累計から認定支援機関別の採択率を算出してみました。採択率50%以上を維持している支援機関は、公益財団法人54.8%、中小企業診断士51.3%、民間コンサルティング会社50.3%となっています。
これらの特徴は、「公益財団法人は産業振興に強い組織であること」「中小企業診断士・民間コンサルティング会社は経営計画・経営改善支援に強いこと」などが高い採択率を維持している要因と推察されます。
第8回公募について
現在、第8回の公募期間中です。第8回の締切は令和5年(2023年)1月13日(金)です。締切間近ですとネット回線が込み合う可能性がありますので、余裕をもって申請してください。
また第8回の公募要領には第9回に関する記載が以下のようにあります。
「第9回公募の応募締切は第8回公募の採択発表以前になる予定のため、第8回公募で応募される場合、第9回公募での応募はできませんのでご注意ください」
申請する期間に注意しながら、事業計画策定を進めてください。
さいごに
事業再構築補助金事務局より公表されている第7回の応募・採択実績を分析いたしました。採択率は全体的に向上しているものの、事業計画の精度が高くなっていることが要因と考えられるため、適切な認定支援機関の支援を受けながら、補助金申請を進めていただくことが、より一層大事になってきています。
中小企業診断士のみで構成されている補助金活用支援会(HKS)は、認定支援機関として補助金活用の支援をしております。補助金に関するご質問やお問い合わせがありましたら、お気軽にお問合せください。