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令和2年実施ものづくり補助金 もうすぐスタート
事務局公募の締切り
ものづくり補助金の事務局公募は2月14日が締切りでした。
先週末ですね。もう一週間経過しましたから来週中には事務局が発表されそうですね。
今年度から始まる新しい仕組み
事務局公募の資料から昨年のものづくり補助金からの変化点をピックアップしてみました!
3か月ごとに締切り、申請受け付けは常時
今年の事務局公募要領には「3か月ごと程度に1回ずつ採択発表を行ない」「常時、中小企業(中略)からの交付申請を受け付けることとする」と明記されていますので、3か月ごとの定期的に公募が実施されそうです。
いままで、いつの間にか始まって、気づいたときには期限ギリギリなんてことも多かったのですが、今後は期限に間に合わなくても設備の納期などの都合に合わせて提出できるということになりそうですね! 今回の変更の中ではこれが一番大きな変更だと感じてます。
補助事業期間終了後のフォローアップ
事業化報告の後、終了後5年間(3年計画の場合は3年?)収益納付(補助金を使って投資した設備やサービスから直接収益が発生した場合にその分補助金を返金する制度)、交付決定取り消し(いったん決まった補助金が取り消される処理)、各種分析報告などがフォローアップされることになりそう。人件費アップを計画に入れた場合加点になるのですが、5年後まで追いかけられるとなると、書類準備がかなり煩雑になる可能性がありますね。
賃金引き上げ未達の場合の補助金返還
人件費を2%アップさせる計画をつくると加点になる(後述)のですが、仮に補助事業期間に賃金引き上げの状況の確認を受けて、万が一未達だった場合には、補助金の返還を求められてしまう場合が設定されました。これは今までなかった措置であり、賃上げ計画提出の際はよく検討が必要となるでしょう。
一般型およびグローバル型(後述)の場合1.5%以上給与総額の増加が必要ですが、仮に補助金が1000万円交付されたとしても、5年間の人件費総額が1000万円以上 上昇する場合、補助金をもらわない方が得というケースも考えられます。試算では、人件費が初年度年間1億3000万円以上の会社は、1.5%で5年間賃上げを続けると、1000万円を超えることになります。(ただし、付加価値額が目標どおりに伸びなかった場合など、賃上げが適切でない経営状況の場合は変換しなくてもいいようです)
毎年給与総額を2%アップさせる場合は、初年度人件費総額が9610万円を超える場合に、⒌年で1000万円を超過し、補助金を上回ることになります。
加点要素
①成長性加点、②政策加点、③災害加点、④賃上加点の4つの加点が登場。以下にそれぞれを解説します。
①成長性加点
成長性加点とは、ずばり、「経営革新計画」を取得または申請しているかどうかということ。過去に加点要素となっていた、「経営力向上計画」や「先端設備導入計画」「事業継続力強化計画」が加点となるかどうかは明記されていないので、正式に公募要領が出ないとわかりません。
「経営革新計画」は取得に時間がかかるので、早めに動かれた方が良いでしょう。申請中でも加点になりますが、採択後交付申請時点で認定されている必要がある可能性が高いです。
②政策加点
小規模事業者や創業間もない企業に加点するという措置。創業間もない企業とは創業から5年以内の方。老舗企業が2代目社長に事業承継した場合でも5年以内なら対象となります。
③賃上げ加点
事業計画期間中に、給与総額を年率平均2%以上増加させる計画を従業員に表明している企業
または
賃上げには、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を従業員に表明している企業
などの場合に加点されます
(4)連続して採択されにくくなる
過去3年間に、ものづくり補助金で交付を受けた事業者は、審査で減点されることとなりました。連続で獲得してきた意欲的な中小企業にはちょっと残念な措置ですね。
(5)採択予定件数は約3万件!3倍?
平成30年度補正(つまり2019年実施)ものづくり補助金の実績は、申請件数20,803件に対して、採択数9,531年だったので、3倍の件数に見えますが、喜ぶのは早計。これは3年間での予定件数のようなので、1年間の平均予定採択件数は約1万件。3000万円や1億円のコースが新設されたことを考えると、件数としては例年並みでしょうか。ただし、連続採択が制限されるので、新規で申請される事業者にはチャンスといえるでしょう。
新しい試みも含み3年計画になるため、初年度がもっとも採択率が高くなる可能性があります。初年度の採択率が高かった場合、3万件にあわせるために、後半は採択率が悪くなるということも考えられます。投資したい案件がある方は、今のうちから準備を開始しましょう!
(6)事業類型と補助金の金額
一般型は昨年と同様ですが、グローバル型の上限3000万円コース、ビジネスモデル構築型の上限1億円コースが新しく加わりました。1億円コースでは補助率「定額」ということで100%補助という場合も考えられそうです。
事業概要 | 補助上限額 (補助下限額) |
補助率 |
1.一般型
新製品・新サービス開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資及び試作開発を支援。 |
1,000万円 (100万円) |
中小企業 2分の1小規模事業者 3分の2 |
2.グローバル型
海外事業(海外拠点での活動を含む)の拡大・強化等を目的とした設備投資等の場合、補助上限額を引上げ。 |
3,000万円 (100万円) |
中小企業 2分の1小規模事業者 3分の2 |
3.ビジネスモデル構築型
中小企業30者以上のビジネスモデル構築・事業計画策定のための面的支援プログラムを補助。(例:面的デジタル化支援、デザインキャンプ、ロボット導入FS等) |
1 億 円 (100万円) |
支援者 定額補助 |
まとめ
以上 令和2年(2020年)に実施予定のものづくり補助金の変化点を見ていきましたが、いかがでしたでしょうか?
3年間継続するということを事前に発表したのは今回が初めてです。投資の計画をお持ちの事業者様は、「まず経営革新計画を取得」次に「事業計画をつくる」という進め方になります。その際は、賃上げ計画を必ず考慮に入れる。という点が採択されるポイントになってくるでしょう。