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「事業再構築補助金第9回採択結果」採択率45.5%!
はじめに
事業再構築補助金の第9回公募の採択結果が2023年6月16日に発表されました。応募状況と採択結果について「事業再構築補助金事務局」から公表された資料をもとに分析します。
今回お伝えしたいポイント1. 応募件数、採択件数は過去最少!
2.採択率は第8回から大幅ダウン
3.応募金額500万以下は採択率36.3%と過去最低。「3,000万円超から4,500万円以下」は採択 率57.81%と高採択率を維持
4.累計採択率の高い認定支援機関は中小企業診断士が最高の51.1%(応募件数1万件以上)
第1回~第9回応募件数、採択件数、採択率の推移
上記図の通り、第9回の事業再構築補助金の応募数は過去最低の9,369件(前回から△3,222件)、採択数も過去最低の4,259件(前回から△1,289件)となりました。
一方で、採択率も45.5%と過去最高の前回から大幅にダウンしました(前回から△5.8%)。採択率は第6回公募から3回連続で50%を超え上昇傾向にありましたが、第9回は一転して下がった結果になっています。第9回まではグリーン成長枠を除いて、応募には売上高の減少が要件になっていました。しかしコロナ後の景気回復で要件に該当しないことや、第10回の概要がすでに公表されていましたので、売上高減少要件が求められていないことなど(物価高騰対策・回復再生応援枠、最低賃金枠を除く)、第10回の応募を見据えたことが影響している可能性があります。
公募枠別採択率
第8回事業再構築補助金では過去最高の採択率を記録しましたが、第9回は枠別にみても下降傾向にあります。通常枠のみ過去の平均採択率(第1回~8回)を上回っていますが、第8回公募と比較しても通常枠の採択率は大幅に下がっており、全体の採択率低下に影響を与えています。
ただし単純に採択率だけで見れば、採択率50%を下回っているのは、グリーン成長枠と通常枠のみで、それ以外の枠の方が採択率は高いことが言えます。
業種別応募状況と採択率
第9回の業種別の応募状況では、日本標準産業分類で応募割合・採択割合を分析すると、特に製造業、卸売・小売業、宿泊業・飲食サービス業が多く、この3業種で50%を占めます。第1回から9回の公募でもこの割合は約50%で業種別の応募状況はほとんど変わりません。
第9回の業種別採択率は、「製造業」が最も高く66.2%となりました。次いで「運輸業、郵便業」が48.3%です。50%を超えたのは製造業のみであり、これまでの採択率を含め高採択率となっています。
応募金額別応募件数、採択率
金額別応募件数をみると、「2000万円以下」の範囲に応募件数が集中しており、全体の8割を占めています。特に、「1500万円超から2000万円以下」の応募件数は、3,121件で33.3%と最も多い結果となりました。
第9回では採択率が一番高い応募金額は「3,000万円超から4,500万円以下」で57.8%を記録しました。応募金額が3,000万円を超えると、金融機関による確認書が必要になるため、より精緻な事業計画が策定された結果であると推察できます。一方、採択率が一番低いのは、応募金額500万以下の36.3%となりました。
前回(第8回)と比較すると、応募金額500万以下の採択率の低下が著しいです。一方、過去平均と比較すると、応募金額3000万超の採択率が平均を上回る傾向にあります。
認定支援機関別採択率
第1回から第9回公募までの応募・採択件数の累計から認定支援機関別の採択率を算出してみました。採択率50%以上を維持している支援機関は、公益財団法人55.2%、中小企業診断士51.1%地銀50.4%となっています。
また、累計応募件数10,000件以上で見ると、中小企業診断士の採択率(51.1%)が最も高く、中小企業の事業再構築支援に強く寄与したと言えます。
*中小企業診断士とは?
中小企業診断士は、経済産業省が認定した中小企業の経営に関する専門的な知識を持っている経営コンサルタントのプロフェッショナルです(国家資格)。企業経営において必要な戦略や改善点を見つけ出し、経営者に対して具体的なアドバイスや支援を提供することで、企業の発展に貢献するなど、中小企業の経営をサポートする役割を担っています。
私たち補助金活用支援会(HKS)は、中小企業診断士のみで構成されている団体で、認定支援機関として補助金活用の支援をしております。補助金に関するご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。(お問い合わせはこちら)
次回公募(第10回)について
第10回公募が受付が始まっており令和5年6月30日(金)18時が締切です。今までの事業再構築補助金とは応募枠や申請要件が大きく変更となっていますので注意が必要です。事業再構築補助金に関する最近のブログでもポイントをまとめておりますので、そちらもご参照ください。
事業再構築補助金の加点項目「EBPMの取り組みへの協力」とは?
事業再構築補助金申請時に活用したい「ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点」を解説します!
事業再構築補助金 第10回の審査項目を解説 ポイントはここ!
最後に
今回は第9回の事業再構築補助金の採択結果についてまとめました。申請数、採択件数は過去最少で採択率も減少しました。採択するためには事業環境の変化に対応し、より精度の高い事業計画の策定が必要です。適切な認定支援機関の支援を受けながら、補助金申請を進めていただくことが、より一層大事になってきています。また、第10回公募からは変更点も多く、申請要件が複雑になっていますので、「申請できると思っていたのにできなかった」「申請期限までに申請書類を用意できなかった」といったことがないように、早めに準備を進めることを推奨します。
私たちHKSも無料相談を承っています。補助金について相談したいことがありましたら、ぜひ以下よりお問い合わせください。