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令和5年度補正予算案の概要から、中堅・中小企業支援の補助金をご紹介します!

今回は、経済産業省関係令和5年度補正予算案にある中堅・中小企業支援事業の中から、3つの補助事業を取り上げてご紹介します。

 

今回お伝えしたいポイント1.  中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金とは、

2.中小企業省力化投資補助金とは、

3.ものづくり補助金に新設される省力化(オーダーメイド)枠とは、

11月24日、総額約13兆円の補正予算案が衆議院の予算委員会で可決されました。

経済産業省関係は合計で4.5兆円(※国庫債務負担行為による複数年度分を含めると、4.9兆円)、その中には、「地方・中堅・中小企業を含めた持続的賃上げ所得向上地方の成長を実現する」ために、補正予算6,000億円が盛り込まれています。

今回は、経済産業省令和5年度補正予算案の事業概要PR資料(令和5年11月)等をもとに、中堅・中小企業支援事業の中から、3つの補助金関連事業についてご紹介いたします。

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金

まず1つ目は、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」です。

この補助金は、地方においても賃上げが広がるよう、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う工場等の拠点の新設大規模な設備投資を促進するために補助を行うもので、中小企業だけでなく、中堅企業※1も対象としています。

※1)中堅企業とは 「+」を押すと開きます

経済産業省は、従業員が2千人以下で、中小企業には該当しない企業を「中堅企業」と法律上位置づける方針を表明しています。2024年の通常国会で提出をめざす産業競争力強化法の改正案に盛り込む予定となっています。(2023-12)

現時点で、中堅企業は明確に定義されていません。
参考として、現行の事業再構築補助金では、中堅企業等の定義として、(中小企業等の範囲に含まれない)資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人であること。とされています。

省力化等の大規模成長投資補助金は、補正予算1,000億円、補助金総額は国庫債務負担※2含め総額3,000億円規模で、1社あたり補助上限額50億円投資下限額10億円で、補助率は1/3となっており、150億円規模の設備投資を想定した巨額の成長投資補助金となっています。

※2)国庫債務負担とは 「+」を押すと開きます

国の予算は単年度毎に議決が行われることが原則ですが、国会の議決を受けることによって、最長5年間にわたる債務の伴う契約を企業などと結ぶことができます。このようなものを「国庫債務負担行為」といいます。

出典:財務省. 「予算書における甲号、乙号、丙号、丁号といった区分は、どのような意 味なのでしょうか。」.https://www.mof.go.jp/faq/budget/01an.htm, (参照 2023-11-24)

補助期間は令和5年度から8年度までの4年間の予定です。

大規模成長投資は、例えば、製造業における、CO2削減や生産性向上につながる「生産工程の抜本的改革」をする設備投資や、卸売業が、生産性を3倍にする「最新設備を導入した物流センター」を新設する等のイメージです。

出典:内閣府.総合経済対策 政策ファイル内閣府特命担当大臣(経済財政政策)2023年11月(P.6)を加工

中小企業省力化投資補助事業 省力化投資補助金の新設

2つ目の「中小企業省力化投資事業」は、人手不足に悩む中小企業等のため、IoT、ロボット等の省力化に即効性のある汎用製品を、カタログから選択し、簡易に導入できるようにすることで、省力化投資へ支援を行うものです。

汎用製品を導入する省力化投資とは、例えば、宿泊・飲食サービス業で労働時間の削減につながる「自動掃除機ロボット」や、「自動配膳ロボット」等のイメージです。

出典:内閣府.総合経済対策 政策ファイル内閣府特命担当大臣(経済財政政策)2023年11月(P.6)を加工

 

事業予算は1,000億円で、中小企業等事業再構築基金の活用等含め総額5,000億円大規模なものとなっています。

なお、従来の事業再構築補助金については、経済構造の転換に挑戦する事業者、コロナ債務を抱える事業等に支援先を重点化するとされています。

省力化投資補助金 省力化投資補助枠(カタログ型)の補助上限額は、従業員数5人以下の場合、最大200万円で、賃上げを達成した場合は100万円増額され300万円となります。

従業員数6~20名以上の場合は、最大500万円で、賃上げを達成した場合は250万円増額され750万円となります。

従業員数21名以上の場合は、最大1,000万円で、賃上げを達成した場合は500万円増額され1,500万円となります。

出典:経済産業省.令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)令和5年11月(p.12)

中小企業生産性革命推進事業の継続

3つ目の「中小企業生産性革命推進事業」は、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入、国内外の販路開拓、事業継続・引継ぎを補助し、切れ目なく継続的に、成長投資の加速化と事業環境変化への対応を支援するものです。

令和3年度補正、令和4年度補正に続き、令和5年度でも、補正予算額2,000億円規模で盛り込まれており、ものづくり補助金持続化補助金IT導入補助金事業承継・引継ぎ補助金が継続して実施されることになります。

ものづくり補助金に、省力化(オーダーメイド)枠を新設

令和5年度補正では、ものづくり補助金で、新たに、省力化(オーダーメイド)枠が追加されています。省力化投資補助金の簡易で即効性のある省力化投資補助枠(カタログ型)に対して、こちらはオーダーメイドによる省力化に必要な設備投資等を支援するものです。

補助上限枠750万円~8,000万円、大幅賃上げ特例適用時は、1,000万円~1億円と、大規模なものとなっています。

出典:経済産業省.令和5年度補正予算案の事業概要(PR資料)令和5年11月(p.13)

さいごに

今回は、経済産業省関係令和5年度補正予算案にある中堅・中小企業支援事業の中から、3つの補助事業を取り上げてご紹介しました。
まだ、新たな補助金の詳細は明らかではありませんが、HKSでは、今後の動向を注視し、支援体制を備えていきます。
HKSは、補助金の全般的な支援を行っておりますので、補助金について相談したいことがありましたら、ぜひ以下よりお問い合わせください。

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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