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【第10回】事業再構築補助金で一番採択率が高い枠・業種・認定支援機関は?

第10回分析表紙

事業再構築補助金の第10回公募の採択結果が2023年9月22日に発表されました。応募状況と採択結果について「事業再構築補助金事務局」から公表された資料をもとに分析します。
※参考資料:事業再構築補助金第10回公募の結果について

本記事でお伝えしたいこと

1.採択率は48.1%と前回より上昇。

2.公募枠採択率は、枠によって37%~53%とバラつきが大きい。

3.採択率50%を超える認定支援期間は3つだけ。

採択率は48.1%と前回より上昇!申請数、採択件数も前回より若干増加。

 

公募の推移

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上記図の通り、第10回の事業再構築補助金の応募数は10,821件(前回から+1,452件)、採択数は6,456件(前回から+946件)となりました。第10回からは通常枠が廃止となる一方、グリーン成長枠の要件緩和や産業構造転換枠などの創設と新しい事業再構築補助金として再スタートしましたが、応募件数・採択件数とも過去回(1~8回)と比較すると第9回に次ぐ歴代2番目に低い件数を記録しています。

一方で、採択率は過去平均(46%)を若干上回る48.1%を記録しました(ほぼ同水準)。第9回の採択率が低水準であったこともあり、前回から2.6%上昇しています。

第10回で一番採択率が高かった「枠」は?

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公募枠別でみると、第10回事業再構築補助金で一番採択率が高かったのは「最低賃金枠」でした。ただし、応募件数も採択件数も全体数の2%程度で該当事業者も限られる枠であると言えます。また、過去平均と比較すると約23%も下落しており、採択難度が急上昇しています。

今回新設された4つの枠(成長枠、産業構造転換枠、物価高騰対策・回復再生応援枠、サプライチェーン強靭化枠)を見ると、採択率はかなりバラつきが出ました。特徴的なのは「産業構造転換枠」で、採択率は37.1%と低水準に留まりました。同枠は応募件数も他枠と比べ少なく、該当事業者が少ないことが伺えますが、それに加えて採択難易度も高い枠であると言えそうです。

一方、「物価高騰対策・回復再生応援枠」や「サプライチェーン強靭化枠」は採択率が50%を上回り、特に物価高騰対策・回復再生応援枠」については応募件数・採択件数も全体数の約7割を占め、事業再構築補助金第10回公募の中心的な枠であったと言えます。

第10回で一番採択率が高かった「業種」は?

業種別第10回
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業種別採択率は、「製造業」が最も高く58.3%となりました。次いで、「運輸業、郵便業」が54.5%「情報通信業」が53.4%と、ここまでの3業種が採択率50%を上回りました。

過去平均採択率と比較しても、ほとんどの業種が平均を上回っています。

一方で、応募件数が4番目に多い「宿泊業・飲食サービス業」は、第10回採択率が過去平均を約7%下回る43.4%と厳しめの結果となりました。

応募件数が一番多い「補助金額」は?

応募金額別10回

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応募金額別件数をみると、「2000万円以下」の範囲に応募件数が集中しており、全体の8割を占めています。これは今までの公募回の傾向とほとんど変わりません。

ただし細かく見ると、過去回では応募件数の多数(30~40%)を占めていた「1501万円~2000万円」の件数比率が18%へ減少し、代わって過去回では20%前後を推移していた「501万~1000万円」の件数比率が約32.6%を占める結果となりました。

これは、第9回まで公募していた「通常枠(従業員数20人以下でも補助上限2000万円)」が撤廃されたことが影響していると考えられます。

 

第10回で採択率が一番高い「応募金額」は?


応募金額別採択率第10回
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第10回では応募金額500万超であれば、採択率にそこまで大きな差はありませんでした。強いて言えば、「4,500万超~6,000万以下」が採択率52.2%と一番の高水準を記録しましたが、応募数・採択数共に全体の2%程度であり、限定された一部の事業者のみが該当することが伺えます。

過去回では金融機関による確認書が必要になる「3,000万円越え」から顕著に採択率が上昇していましたが、今回は過去平均や前回(第9回)と比較しても「3,000万円以下」の採択率も高く、応募金額別の採択傾向が変わりつつあると言えます。

一方、採択率が一番低いのは、応募金額500万以下の37.1%となりました。

採択率が高い「認定支援機関」は?

支援機関別採択率第10回
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第1~10回公募までの応募・採択件数の累計から認定支援機関別の採択率を算出してみました。採択率50%以上を維持している支援機関は、公益財団法人55.0%、地銀52.3%、中小企業診断士50.9%となっています。このうち、地銀・中小企業診断士は累計応募件数も10,000件を超えており、多くの事業者支援に貢献していると言えます。

中小企業診断士とは?

中小企業診断士は、経済産業省が認定した中小企業の経営に関する専門的な知識を持っている経営コンサルタントのプロフェッショナルです(国家資格)。企業経営において必要な戦略や改善点を見つけ出し、経営者に対して具体的なアドバイスや支援を提供することで、企業の発展に貢献するなど、中小企業の経営をサポートする役割を担っています。

私たち補助金活用支援会(HKS)は、中小企業診断士のみで構成されている団体で、認定支援機関として補助金活用の支援をしております。補助金に関するご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。(お問い合わせはこちら)

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第11回公募の採択結果公表時期について

第11回公募が令和5年10月6日(金)に締め切りとなりました。おおよそ採択結果公表は公募締め切りから約2~3か月後が目安となりますので、令和5年(2023年)12月~令和6年(2024年)1月頃に公表される可能性が高いです。事業再構築補助金のHP又はJgrantsでお知らせがあると思いますので、必要に応じてチェックしましょう。

・事業再構築補助金HP

最後に

今回は第10回の事業再構築補助金の採択結果についてまとめました。公募枠の新設や要件の改定など大きな変更があった第10回公募でしたが、全体的な採択率は今までの回と同水準でした。ただし、申請要件が複雑になったこともあり、適切な認定支援機関の支援を受けながら、補助金申請を進めていただくことが、より一層大事になってきています。

私たちHKSは事業再構築補助金を含む、補助金全般的な支援を行っております。いつでも無料相談を承っていますので、補助金について相談したいことがありましたら、ぜひ以下よりお問い合わせください。

 

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