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見落とし注意!事業再構築補助金の補助対象にならない経費11選
補助金ごとに対象となる経費が様々で、非常に複雑ですよね。一方でこの部分があいまいなまま誤って補助対象外経費ばかりで申請してしまうと、採択されたとしても自己資金や融資で多くを賄うことになってしまいます。
「補助金で買えると思っていたのに、、、」と後から悔やまないためにも、どの経費が補助対象なのか、どんな経費は補助されないのかを、しっかり把握したうえで事業計画を作りこんでいく必要があります。
そこで今回は、意外と見落としがちな補助対象にならない経費11選~事業再構築補助金編~について解説していきます。
本記事を読んでわかること事業再構築補助金では補助されない経費を知ることができます!
事業再構築補助金の補助対象経費一覧
補助対象“外”経費を解説する前に、事業再構築補助金で補助対象となる経費をご紹介します。ここでは項目のみ紹介しますので、詳細は事業再構築補助金の公募要領をご確認ください。
・建物費
・機械装置・システム構築費
・技術導入費
・専門家経費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・外注費
・知的財産等関連経費
・広告宣伝、販売促進費
・研修費
▼公募要領は以下クリック▼
事業再構築補助金公募要領(第8回)
補助対象外経費11選
広範囲の経費が補助される事業再構築補助金ですが、決して万能ではありません。補助対象にならない経費11選は以下の通りです。
①汎用品(PCやスマホ、タブレット端末、家具など)
②自社の人件費・旅費
③不動産や株式の購入費
④自動車などの車両やバイクの購入費
⑤飲食・娯楽・接待費
⑥商品の原材料費
⑦消耗品費
⑧通信費
⑨求人や自社全体をPRするための広告費
⑩家賃・水道光熱費
⑪公租公課(消費税など)
それでは、具体的に解説していきます。
①汎用品(PCやスマホ、タブレット端末、家具など)
事業用だけではなく、家庭でも使える機器・設備については補助対象外となります。これはモノづくり補助金などでも共通して補助対象外となっています。代表的なものには、PC、文書作成ソフトウェア、スマートフォン、タブレット、プリンターなどのPC周辺機器、家具などがあげられます。
今や事業推進に必須ともいえるPCやタブレットが補助対象外なのは残念ですが、事業と家庭で明確な使い分けが難しく目的外の使用もできてしまうがゆえに、しかたがないですね。
一方、IT推進を目的としてPC等を購入するのであれば、IT導入補助金など他の補助金では補助対象となるケースもあります。ご興味がある方はIT導入補助金の記事もまとめていますのでチェックしてみてください。
▼IT導入補助金の記事はこちら▼
②自社の人件費・旅費
事業再構築補助金では、自社で雇用する従業員の人件費・旅費は補助対象外となります。
一方、専門家経費や外注費は補助対象となっているため、外部専門家への報酬や業務委託は補助対象となります。自社の社員を増やしてすべてを賄うのではなく、外部人材を使いながら事業再構築していく方法も検討してみる必要があるかもしれません。
③不動産や株式の購入費
不動産や株式の購入費も事業再構築補助金による補助の対象経費とはなりません。特に、不動産に関しては建設や改修、撤去は補助されるものの、不動産自体の購入は補助対象外であることは見落としがちです。なお、建物の新築についてはその必要性が認められた場合のみ、補助対象となりますので、こちらもご留意ください。
▼新築時の留意点をまとめた記事はこちら▼
④自動車車両等の購入費や修理費
車両やバイク(公道を走る車)の購入費は対象外となります。こちらは事業再構築補助金HP内の“よくあるご質問【補助対象経費】”の中で以下のように回答されています。
車両の購入費は補A.助対象になるのか?
自動車等車両(事業所内や作業所内のみで走行し、自動車登録番号がなく、公道を自走することができないものを除く)の購入費・修理費・リース費・車検費用は補助対象になりません。
ただし、車両に載せる設備及びその設備の設置に必要な費用は補助の対象となり得ます。
また、減価償却資産の耐用年数等に関する省令において「機械及び装置」区分に該当するもの(例:トラッククレーン、ブルドーザー、ロードローラー等)は補助対象になります。
つまり、車両自体の購入費は補助対象外ですが、車両に搭載するための設備費用・改修費用(例えばキッチンカーのキッチン設備)は対象になる可能性があります。
⑤飲食・娯楽・接待費
いわゆる接待交際に関連する経費も補助対象外です。事業への関連性が明確でないため、当たり前といえば当たり前ですね。
⑥販売する商品の原材料費
試作品開発が必要なモノづくり企業にとっては少し痛手かもしれませんが、事業再構築補助金では商品の原材料費は補助対象外です。なお、ものづくり補助金では補助対象となるケースもありますので、興味がありましたらチェックしてみてください。
▼ものづくり補助金の記事はこちら▼
⑦消耗品費
消耗品費も補助の対象外です。代表的なものは、ボールペンやコピー用紙などの文房具、電球やティッシュなどの日用品などです。
⑧通信費
通信費も補助の対象外となります。代表的なものは、携帯の通話料金、インターネット利用料金等の通信費、などです。
⑨求人や会社全体をPRするための広告費
補助事業で開発または提供するサービス・製品をPRするための広告宣伝費は補助対象ですが、会社全体のPRや求人などを目的とした広告宣伝費用は補助対象外です。また、補助事業以外の自社製品・サービスを宣伝するための経費も補助対象外のため注意してください。
⑩家賃・水道光熱費
家賃や水道光熱費についても補助対象外となります。いわゆるインフラ関連の経費は、他の事業との区分をつけにくいため、致し方がないですね。
⑪公租公課(消費税など)
そして最後に、消費税などの公租公課も補助対象外です。ほぼすべての補助金に共通していますが、補助金の交付金額は、対象経費総額の税抜き金額を基準に算出します。例えば、経費110万円(消費税10%込み)に対して2/3の補助が出る場合、税抜き金額100万円×2/3で約66万円が補助金として交付される金額となります。
事前確認は必ずやりましょう。
今回は、事業再構築補助金の補助対象外経費11選について解説してきました。補助金額も大きく、対象経費の範囲も広い事業再構築補助金ですが、今回見てきたように対象外の経費も少なくありません。事前に公募要領などで補助対象経費は確認するなどして、誤った認識で申請することがないようにしましょう。
事業再構築補助金に関して、他にもまとめている記事がありますので、ぜひご確認ください。
▼事業再構築補助金に関連する過去記事はこちら▼
・交付決定後に金額が変わった! 計画変更はできるの?(事業再構築補助金)
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