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備えあれば、特典もあり!?事業継続力強化計画とは?

今回は、ものづくり補助金の加点項目として知られる「事業継続力強化計画」についてご紹介します。事業継続力強化計画は、通称「ジギョケイ」と呼ばれているようです。

今回お伝えしたいポイント1. 事業継続力強化計画はどのような目的があるのか?

2.具体的にどのような内容を策定するのか?

3.承認して得られるメリットは何か?

中小企業者様にとって、補助金の加点以外にも様々なメリットがありますので、ぜひご覧頂ければ幸いです。

何のために策定するの?

事業継続力強化計画(ジギョケイ)は、一言でいうと 「防災・減災のための事前対策に関する計画」 です。

近年、地震や台風等の自然災害が頻発化しており、また現在は新型コロナウイルスの感染拡大など中小企業・小規模事業者様の経営のみならず、サプライチェーン全体にも大きな影響を及ぼしています。

そのため、明日起きるかもしれない自然災害や感染症に備えるため、事前対策をしておくことの重要性を鑑みて、国が認定する計画を策定しましょう!という趣旨・目的になっています。

以下、よくある質問をいくつかご紹介します。(クリックすると開きます)

認定対象者は?
中小企業・小規模事業者であれば大丈夫です。 ただし、青色申告をしていない事業者様や親会社等から50%以上の資本を受けている事業者様は「設備の税制優遇」は受けられませんのでご注意下さい。
申請方法は?
現在は電子申請のみとなっています。 事業継続力強化計画「電子申請システム」から申請してください。なお、電子申請は、GビズIDアカウントが必要となります。アカウントの取得には約2週間程度かかりますので、計画的な取得をお願いします。
計画書を作るのは大変?
計画書自体は、記載例に従って作成すればそこまで大変ではないと思います。 ただし、自然災害等の被害や影響の想定、対応策などの内容については、初めて事業継続計画に取り組む事業者様にとっては取っつきにくいと思います。 HKSでは多くの事業継続力強化計画の策定支援をしておりますので、ご相談頂ければと思います。
認定までにどれくらいかかるの?
申請してから認定までに、標準で45日程度と公表されていますが、電子申請になってからは、2週間~3週間程度で認定されていることが多いです。計画書の着手から認定まで1.5か月~2ヵ月程度は見ておく必要があると思います。

~MEMO~

令和4年3月時点で、事業継続力強化計画に認定されている事業者は、全国累計40,421社となっています。

中小企業・小規模事業者においては、自社内でイチからBCP(事業継続計画)を作成することが難しい中、国が認める事業継続力強化計画を策定する意義は大きいと感じます。

何を策定する必要があるの?

計画策定の手順としては、以下の図の通り、5つのステップを通じて策定します。

(参照:事業継続力強化計画の手引き)

 

STEP1 事業継続力強化の目的の検討

 事業継続力強化計画に取り組む目的を定めます。 

例えば、自然災害が発生すると、従業員やその家族、取引先、お客様等に大きな影響が及ぶことになりますので、これらステークホルダーへの影響をできるだけ少なくするために取り組むといった内容になります。

 

STEP2 災害等のリスクの確認・認識

 具体的な自然災害等を特定し、事業活動に与える影響を想定します。 

例えば、震度6強の大地震発生という自然災害を特定した場合、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)にどのような影響を与えるかを想定します。モノでいえば、設備が停電及び損傷する。ヒトでいえば、出社及び帰宅困難になり、事業が停止してしまう恐れがあるなどが想定できます。

 

STEP3・STEP4 対応時期や対応策の検討

 初動対応の内容や発生後の対応時期、さらには事前対策の内容を定めます。 

事前対策の内容は、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)ごとに、現在すでに行っている取組みを踏まえて、今後の取組みを検討します。

 

STEP5 推進体制や教育訓練内容の検討

 平時の推進体制の整備や教育訓練の実施計画を検討します。 

例えば、年に1回は代表者主導の下、事業継続計画を見直す。年に2回は地震を想定した訓練を行うといった計画を検討します。

以上のSTEP1~STEP5の検討内容を元に、事業継続力強化計画を策定していきます。

その他、計画書には事業の概要や税制優遇を受ける設備等の詳細を記入していきます。計画書の具体的な記入例は以下の手引きをご参照ください。

認定されることによるメリットは?

事業継続力強化計画を策定して、国に申請して認定を受けると、金融支援や税制措置、補助金の優遇措置が受けられるといったメリットがあります。

具体的には以下4点の特典があります。

・日本政策金融公庫による低利融資(設備投資資金)を受けられる。

・信用保証枠の追加が受けられる。

・防災、減災設備への税制優遇が受けられる。

・ものづくり補助金の優遇措置が受けられる。

(1)金融支援
設備投資をするための資金調達として金融支援を活用する場合は、事業継続力強化計画を提出する前に、日本政策金融公庫やお近くの信用保証協会にご相談するといった流れになっています。

以下、金融支援の概要です。(参照:事業継続力強化計画の手引きより)

(2)設備に対する税制優遇
一方で、設備に対する税制優遇については、事業継続力強化計画の認定を受けた後に、設備を導入する必要があります。 事前に取得した設備等は対象にならないので注意が必要 です。
なお、設備の税制優遇とは、認定された事業継続力強化計画に従って取得した一定の設備等について取得価額の20%の特別償却が適用できます。

以下、税制措置の概要です。(参照:事業継続力強化計画の手引きより)

特別償却とは?

「特別償却」とは、通常の減価償却費とは別に経費の追加計上ができます。そのため、課税利益から特別償却費を差し引くことで、設備投資初年度の法人税が減税できます。ただし、これはあくまで設備投資初年度分の納税を先延ばしにする制度であることは注意が必要です。

例えば、仮に1,000万円の設備投資をしたとすると、1,000万円×特別償却20%=200万円を経費計上できます。現在、中小企業は所得が800万円以下であれば実行税率が19%ですので、200万円×19%の38万円の節税が可能ということになります。

しかし、初年度に取得価額の20%を経費に計上しているため、翌年度以降の減価償却費は少なくなります。そのため、耐用年数をトータルでみると、納付する法人税は特別償却を利用する前と同額になります。

(3)補助金の優遇措置
補助金の優遇措置は、「ものづくり補助金」において加点審査となっています。
ものづくり補助金を申請する際に、事業継続力強化計画の認定証を添付することで審査上優遇されます。 申請中ではなく、認定されていないと加点対象にならない点は注意が必要 です。
ものづくり補助金の加点については、以下の記事をご参照頂ければ幸いです。

 

さいごに

今回は事業継続力強化計画についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

昨今は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、緊急時の事前対策を実施されている中小企業様も多いのではないでしょうか。そのような対策を更にブラッシュアップする意味でも国が認める事前対策計画を作成しても良いかもしれません。

また、認定されると金融支援や税制優遇、補助金の優遇制度というメリットもありますので、設備投資等をご検討されている事業者様はぜひご活用下さい。

なお、HKSではものづくり補助金の申請時に、事業継続力強化計画の作成をお勧めしております。多くの支援実績がございますので、宜しければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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