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助成金「TOKYO地域資源等活用推進事業」は必ず7月中にエントリーを!
毎年、気がつくと締め切られている助成金
「令和3年度 TOKYO地域資源等活用推進事業」は、東京都中小企業振興公社が対象となる事業者を支援する事業です。
東京に存在する地域色あふれた魅力的な「地域資源」を活用するため、あるいは東京が抱える「都市課題」を解決するため、「新製品・新サービスの開発及び改良」に取り組む都内中小企業者。こうした事業者様を支援することにより、地域経済の活性化を図ることを目的としています。
この事業、かつては「TOKYOイチオシ応援事業」という名称だったものですが、「気づいたらもう締め切られていた!」とあとから気づくことが何度かありました。
それもその筈、次の3ステップを、きちんと期限までに行わなければ申請できないからです。
①7/1~7/31 申請エントリー
②7/下旬~8/中旬 申請前相談会 <必須>
③8/16~8/31 申請書類提出
①申請エントリーが7月末までに間に合えば、申請エントリー時に②申請前相談会の予約ができます。間に合わなければ申請エントリー自体ができません。また②の相談会に参加していないと③で申請書類を提出できません。
申請エントリーの手続き自体はネットから簡単に行えます(コチラ)。つまり、気づいたか、気づかなかったかが大きな分かれ目となります。
※申請エントリーは、事前に「ネットクラブ会員サービス」へのご登録が必要です
なお、②申請前相談会(必須)の日程は次の通りです。
期間:令和3年7月26日(月)・28日(水)・30日(金)・8月2日(月)・4日(水)・6日(金)・10日(火)・11日(水)・12日(木)
・・・前置きが長くなりました。この助成事業がどのようなものか、確認しましょう。
今回の記事と合わせて、公社の募集要項(コチラ)や、チラシ(コチラ)もございますので、参考までにご覧下さい
TOKYO地域資源等活用推進事業について
まず、助成金の活用目的や対象期間等の概要です。
(画像をクリックすると拡大します)
活用目的は2つの申請区分に分かれており、申請者がどちらかを選択して応募します。
助成内容は、「新製品・新サービスの開発及び改良に要する経費(開発費及び試作品広報費)の一部」を助成する『経費助成』とともに、地域応援アドバイザーやその他の専門家が入口から出口まで伴走型支援を実施する『ハンズオン支援』という、2つの支援メニューを活用できます。
助成額は、総事業費が3,000万円以上の事業であっても助成額は上限の1,500万円までということになります。なお、一時支援金等を受給している方が「地域資源活用」で申請する場合に限り、助成率は「4/5以内」に拡大します。
・・・以上ですが、色々と分かりにくい部分がありますので掘り下げいきたいと思います。
助成内容も気になりますが、まずはどういった事業が対象となるのか?から。
活用目的にある「地域資源活用」と「都市課題解決」という2つの申請区分についてご説明します。
申請区分「地域資源活用」と「都市課題解決」
まずは申請区分の1つめ、「地域資源活用事業」です。
申請区分❶:地域資源活用事業
東京都内の『地域資源』を活用した、新製品・新サービスの開発・改良事業
Ⓐ一般向け / Ⓑ一時支援金等受給者向け
※ⒶとⒷの併願申請は可能
【東京都内の『地域資源』とは?】
「地域資源活用事業」の対象となる『地域資源』に認定されるには後述する3つの条件をクリアする必要があります。
本事業の公募要項では「対象となる地域資源」がリストとして公表されているので、ご参考までにその一部を画像として貼りますが、詳細は公募要項のリストをご確認下さい(コチラ)。
この東京都指定の地域資源の品目以外でも、下記1,2,3すべてを満たす場合は「東京の地域資源となる説明資料(雛形あり)」を添付して申請することもできます。
<対象となる地域資源の条件>
1. 東京の地域資源として、地域の中小企業等が共有して活用できる(又はその可能性がある)資源であること
2. 東京の地域資源として、生産量、品質、機能、歴史的・文化的背景等の面で特徴があり、消費者等にそのことが一定程度認識されていること
3. 次の2分類のいずれかに該当すること
(1)農林水産物 (2)鉱工業品・生産技術
※観光資源は該当しません
ここまでが「地域資源活用」の説明です。
では、「地域資源活用事業」とは、具体的にはどのような事業を指すのでしょうか。
公募要項にある申請書のサンプルを見てみましょう。
(画像をクリックすると拡大できます)
何となくイメージできましたでしょうか?
もう一つ。地域資源の活用事例を載せるので併せてご参考下さい。
より具体的なケーススタディとしてご参考いただけることと思います。
(画像はクリックして拡大できます)
・・・気になる事業ばかりですね。
続いてもう一つの申請区分、「都市課題解決」です。
申請区分❷:都市課題解決
東京の『都市課題』解決に資する、新製品・新サービスの開発・改良事業
東京の都市課題とは何か、確認しましょう。
【東京の『都市課題』とは?】
本助成事業では、東京の「都市課題」を次の13分野と定義しており、いずれかの分野における課題解決に資する取組が助成対象となります。
先の「地域資源活用事業」に比べるとそれぞれの課題が大きな枠組みで分けられているため、申請したい事業を「東京の都市課題」に紐づけること自体は難しくなさそうです。
では、こちらも公募要項にある申請書のサンプルを見てみましょう。
ここまで見てきた「2つの申請区分」を比べてみると、地域資源活用事業は自社が当該資源に関わりやすい環境にあるかどうかで事業者間に差がありそうですが、都市課題の方は、コロナ禍を筆頭に日々都市課題と向き合い事業を行っている中小事業者にとって、申請しやすいかもしれません。
助成内容「経費助成」と「ハンズオン支援」
支援メニューが2種類あり、充実しています。
「経費助成」と「ハンズオン支援」について、確認しましょう。
支援メニュー❶:経費助成
新製品・新サービスの開発及び改良に要する経費(開発費及び試作品広報費)の一部
詳しくは募集要項(コチラ)をご覧いただきたいのですが、本助成事業の範囲が重要です。
「新サービスの開発及び改良に要する経費」が対象であるため、生産や販売に必要な経費は対象になりません。
公募要項には次のように示されています。
助成対象事業としてNGとなる例(認められない例)
ア) 開業・運転資金など開発・改良以外の経費の助成を目的としているもの
イ) 生産・量産用機械設備や営業用備品の導入等、設備投資を目的としているもの
ウ) 開発・改良した試作品自体の販売を目的としているもの
エ) 開発・改良の全部又は大部分を外注(委託)しているもの
オ) 既存製品・サービスの模倣に過ぎないもの
カ) 新たな開発・改良要素がないもの
キ) 申請時において開発・改良が概ね終了しているもの
ク) 令和5年11月29日までに、事業の完了が見込めないもの
ケ) 開発・改良が特定の顧客(法人・個人)向けで、汎用性のないもの
コ) 開発・改良する製品・サービスが自社の所有とならないもの
サ) 公序良俗に反する事業など、事業の内容について公社が適切ではないと判断するもの
以上の通り、あくまで趣旨に沿った経費でなければなりません。
この中では、キ)をどこまでシビアに審査されるのかが気になります。
この流れで、公募要項に書かれている主な留意事項を確認します。
助成対象事業における主な留意事項
ア) 申請には、具体的な事業計画、経費見積及び資金計画等が必要です。
イ) 助成対象期間内に目標を達成する最終成果物(試作品、サービス提供の基礎となる仕組みやノウハウ)を完成させてください(完了検査で確認します)。
ウ) 最終成果物(試作品)は、目標を達成できる必要最小限の数量とします(事業終了後一定期間の保存義務があります)。
エ) 経費関係書類は、支払いが確認できる書類(契約書、請求書、振込控等)のほか、その履行が確認できる資料(納品書、仕様書、設計書・図面、写真、試験報告書等)の提出が必要です(詳細は「11(1) 経理関係書類の確認」参照)。
オ) 助成事業の成果に基づく事業化(販売開始)は、助成事業の完了検査後から可能です。
カ) 助成対象期間の途中で申請要件を満たさなくなった場合や、目標達成の見込みがないと判断された場合には、助成対象期間内であっても支援を打ち切ることがあります。
特に カ)は、審査を通過することが目的でなく、最終的に「検査・確定」して助成金が交付されることが重要ですので、実現性が低い計画にならないようご注意下さい。
以上、経費助成の内容を確認しました。
続いてもう一つの支援メニューである、「ハンズオン支援」です。
支援メニュー❷:ハンズオン支援
地域応援アドバイザーやその他の専門家による伴走型支援
ご覧の通り、地域応援アドバイザーやその他の専門家による伴走型支援は、入口から出口(または出口以降)までの全体に及びます。
入 口 ・・・申請書(案)を記入した事業者を対象にした申請前相談会(必須)
中 間 ・・・開発段階の進捗管理や資金計画に関する助言
出 口 ・・・完成後の販路開拓を見据えた出口支援
事業終了後・・・PR動画作成支援や展示会への出展支援等
スタートからゴールまで、まさに伴走型と呼ぶにふさわしい支援が期待できそうです。
まとめ
今回の記事では「TOKYO地域資源等活用推進事業」について、申請区分は「地域資源活用」と「都市課題解決」のどちらに申請するかを応募者が選択すること、そして支援メニューとして「経費助成」と「ハンズオン支援」の両面において助成されることを確認しました。
東京都に存在する地域資源を活用したり、都内における都市課題を解決するために新サービスを開発または改良しようという取り組みに対し、公社が背中を押したいという事業でした。
資金面だけでなく専門家の知見による伴走型支援が得られることは、中小事業者様にとって非常に大きなサポートになるのではないでしょうか。
今回、7月末までにこの記事をご覧いただけた方はラッキーだったかもしれません。
本助成事業にチャレンジしたいという事業者様は、とにかく7月末までの申請エントリーと申請前相談会のご予約をお急ぎ下さい。