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「事業再構築補助金」第1回公募 採択結果 発表!

採択率の総平均は36.1%

前例のない予算額と補助金額で注目の「事業再構築補助金」の第1回公募の採択結果の全容が6月8日に発表されました。
募集のあった6つの枠を合計した結果は次のとおりです。

① 応募件数:22,231件
② 申請要件を満たした件数:19,239件
③ 採択件数:8,016件
採択率(③÷①) 36.1%

今回のブログでは、第1回募集の結果や、今後の募集に応募する際の留意点について、補助金事務局が分析や、5月31日に行われた行政事業レビュー(※)での中小企業庁の担当部長(以下、担当部長)の発言も取り上げ、少し深掘りして解説します。

事業再構築補助金事務局による第1回公募結果分析へのリンク

※ 行政事業レビューとは
国の各省が実施する政策(事業)の総点検です。
一部の事業は外部有識者を入れて行われ、さらにその一部が公開されます。
令和3年度は「中小企業等事業再構築促進事業」(事業再構築補助金)が公開対象に選ばれ、外部の専門家と議論する様子がオンライン上で公開されています。

行政事業レビュー公開映像へのリンク

枠ごとの応募件数、申請要件を満たした件数、採択件数、採択率の関係は次のとおりでした。

採択率は総平均が36.1%でしたが、通常枠と緊急事態宣言特別枠では採択率に大きな差が出ています。
中小企業等では通常枠が30.1%、緊急事態宣言特別枠が55.3%です。
緊急事態宣言特別枠は、緊急事態宣言発令に伴う大幅な売上減少(令和3年1~3月のいずれかの月の売上高は前年または前々年の同月比で30%減少)が申請要件になっているため、「給付金的な意味合いもあって」(担当部長のコメント)採択率が高くなっています。

応募金額の山は1,000万円以下と6,000万円

事務局は、分析資料で補助金の応募金額別件数を公開しています。

 

中小企業等の補助金額上限となる「5500万円超6,000万円以下」が最大の山です。

1,000万円以下も応募者が多くなっています。

また、補助金額が3,000万円を超えると事業計画に金融機関の関与が必要となりますが、それより以下の金額に小さな山があります。

第1回で予算の約17%(推定)の行先が決定!

事業再構築補助金の国の予算額は1兆1,485億円です。
応募金額別件数のグラフに書かれた数字から計算した応募金額の平均値は、約2,500万円です。
一方、採択件数は約8,000件。
よって、2,500万円と8,000件を掛け合わせた2,000億円程度(予算額の17%程度)の補助金の行先が今回決まったことになります。

公募はあと4回予定されており80%強の予算が残っていると推測されますが、担当部長は、
「数字合わせのために審査基準を甘くしたり辛くしたりすることはなく、再構築に値する申請がなければ、予算は返上するだけの話です」
という趣旨の発言をしています。
質の高い再構築計画を立て、申請することが重要なのは言うまでもありません。

<都道府県別>採択率は東高西低の傾向

事務局が公表している第1回の公募と採択の結果分析をもとに、+αの計算を加えた分析結果をみていきます。
都道府県別の採択率には、全体として「東高西低」の傾向が見られました。
応募件数、採択件数では東京都が最多でしたが、採択率は低い結果となりました。

<業種別>製造業と宿泊業・飲食サービス業が採択件数多く採択率も高い

業種別では製造業と宿泊業・飲食サービス業が、合計で応募件数全体の4割弱、採択件数全体で5割強を占めており、採択率も高くなっています。

<認定支援機関別別>中小企業診断士の採択率が高い

事業計画を事業者とともに作成した認定支援機関別の応募・採択の状況は以下の表のとおりです。
応募件数、採択件数では地銀、信用金庫が多くなっています。
一方、採択率では公益財団法人、中小企業診断士、次いで民間コンサルティング会社の割合が高くなっています。

今後の公募に向けて~事業計画作成のポイント~

事業再構築補助金は年内にあと4回の公募が予定されています。
これからの申請を考えている方、第1回の申請で悔しい思いをし再チャレンジを考えている方、それぞれいらっしゃるでしょう。
第1回の結果を踏まえると事業計画作成の際に留意する事項として、どのようなポイントがあるのでしょうか。

この点については、行政事業レビューにおける中小企業庁の担当部長のコメントが参考になります。
1.「(自分は100件程度の申請に目をとおしたのですが)共通した特徴としていえるのは、顧客規模の想定の積算根拠が甘い。なぜ、それだけの客がとれるのかという点に関して、8割は落第しそうな勢いです。」
2.「審査員には、計画が事業化できそうなものになっているか、夢物語となっていないか、厳しく診てほしいとお願いしています。」

1は、公募要領に記載された審査項目のうち事業化点(以下に掲載)のうち、②に関するコメントと考えられます。また2.は、事業化点が厳しく審査されていることを意味しているでしょう。
以下は、公募要領からの抜粋です。

担当部長のコメントは、
・新規商品、新規事業のユーザーおよび市場についての把握が十分ではないものが多い。
・新規商品や新規事業の売上高を、構成比で10%超あるいは最大にできるとの根拠に、納得性が乏しいものが多い。
との指摘とも取れます。
この点は、認定支援機関の当社(HKS)も対応を強化すべき課題と受けとめ、事業者様との対話と検討を通じて、より実現可能性の高い事業計画の作成を進めていきます。

まとめ

事業再構築補助金事務局の分析から第1回公募の結果を振り返り、行政事業レビューにおける中小企業庁の担当部長の発言から今後の公募に向け事業計画を作成する際の留意点を書かせていただきました。
事業再構築補助金は補助金額が多く補助対象費も多岐にわたり、厳しい環境を乗り越えるため活用したい補助金です。
事業者には1事業についてあと4回のチャンスがあります。
しっかりと事業の足元を見つめ、実現可能性の高い計画を立てて採択を勝ち取り、補助金を元手に事業再構築をやり抜きましょう。

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  1. 2021年 7月 30日
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